Googleは、Pixelスマートフォン向けTensorチップの製造をSamsungからTSMCに移行します。最初の対象は、Pixel 10シリーズに搭載予定の次世代チップ「Tensor G5」となります。DigiTimesによると、この契約は3~5年に及び、Pixel 14までのチップ製造をカバーする見込みです。

TSMCは、半導体製造分野における業界のリーダーと広く認識されています。TSMCへの移行により、Tensorチップの性能と電力効率の向上が期待されており、特に「Tensor G5」はTSMCの3nmプロセスで製造されると報じられています。
TSMCへの切り替えによるメリットは、2022年にSnapdragon 8 Gen 1と8 Plus Gen 1で既に示されています。標準版はSamsung Foundry製だったのに対し、Plus版はTSMCが製造。Snapdragon 8 Plus Gen 1は、性能の向上だけでなく、電力効率面でも大きな改善を示しました。
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一方、Samsung Foundryは継続的に歩留まり問題に直面しており、最近ではGalaxy S25シリーズでも製造上の課題が発生しました。Exynos 2500の生産問題により、SamsungはGalaxy S25シリーズにおいてSnapdragon 8 Gen 4(Elite)のみを採用したとされます。Samsung Foundryでは、新型Galaxy向けのExynos 2500を十分な数製造できなかったと考えられています。
このような歩留まりの問題は、TSMCへの切り替えによりGoogleが回避できる可能性があります。もっとも、Pixelシリーズの出荷台数はSamsungのGalaxyシリーズと比べて少ないですが、TSMCの3nmプロセスにより、Tensor G5ではこれまで以上の電力効率の向上が期待されています。